第壱章「入部試験」

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「はい」 お、いた。セミショート黒髪少しキツめの目付きをした娘だ。 「君に砲手を頼んでも良いかな?」 「私にお任せ下さい」 おぉ。クール系キャラか。でも闘志はめちゃくちゃありそう。 装填手と通信手か。 此処は誰でもいいし、やる気のある子だな。 「装填手と通信手やりたい人挙手してー」 すると一年生達は戸惑いながらまちまちに手を挙げる。 おー結構手が挙がるね。 んーどうしようか? テキトーに目に留まった娘で行こうか。 「んじゃ君と君。装填手と通信手お願い」 近くに居た二人を指名して、準備完了。 「10分程訓練していいかな? 即席チームだし」 「okー。んじゃウチの搭乗員達も集めとく」 「よし。んじゃ訓練だ。瀬奈さん。パンター動かして見てゼロヨンみたいにいきなりフルスロットルにしなくていいからね」 「はい!!」 私を含め急遽選んだ一年選抜チームはパンターG型に乗る。 「んじゃ戦車前進」 車長席についてそう指示を出す。 パンターは勢いよく発進し、スピードが上がってくる。 流石ドイツの傑作快速戦車。速いねぇ。 「左旋回」 そう指示を出すとすぐに左旋回を始める。 うん。瀬奈さん。腕いいね。指示を素直に聞くし、突然の指示にもちゃんと対応出来る。 正式に入部決まったら瀬奈さんは固定で使おう。 「次。砲手。撃てる?」 「やります」 「よし。訓練場右の的を狙って。戦車が停止してから射撃する様に。装填!! 停止」 パンターは急ブレーキで停止する。 車体の揺れが収まると同時に7.5cm方が発射される。
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