第壱章「入部試験」

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「ヒュー。流石に上手いね。だけど少し着弾が右に流れた。ちょっと貸して?」 山縣さんに砲手を譲って貰い1発撃ってみる。 「あー調整が少しズレてるね。中心から0.02ミル左に照準を合わせて。そしたら真ん中に当たるから。要調整だなこの測距器は。普段パンターは誰が使うの?」 「あまり使われていませんが、1年が乗る時が多いです」 宝の持ち腐れじゃん。まぁだからこそ調整不足なんだろうけど。 「んじゃ、訓練はこの辺で始めますか」 ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー 「んじゃ演習弾だけど、直撃食らったら終わりってルールね」 「ほーい。バルクマンよろしく頑張るよ~」 「負けないからね!!」 咲綺は元気だなぁ。 『模擬戦開始!!』 その言葉と共に両軍戦車が動き出す。 「模擬戦だからそんなに肩に力入れなくて大丈夫だからね」 「んー森林地帯か……。待ち伏せか?」 「砲手。取り敢えず何時でも撃てるように。操縦手。取り敢えず動き回って。相手は17ポンド砲の威力を活かすため待ち伏せで来るハズだからキリングゾーンに入らない様にしないと。通信手。地図」 「「はい!!」」 通信手から地図を貰い地形を頭に入れる。 んー恐らく中央の山を挟んでこの川に私達を誘い込もうとするから、咲綺か那須さん、どちらかが誘導か。 敢えて乗ってみるか。2両撃破って無理難題より1両撃破優先で。
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