第壱章「入部試験」

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「ヨーイ。テー!!」 私の合図と共に主砲から榴弾が発射される。 斉射の衝撃そのままに山の中腹に爆発が起こる。 「戦車前進。フルスロットル。敵が食い付いてきたらフェイント入れたりのの字運動よろしくね」 「はい!!」 少し走ると地形が左側が崖右が川と言う場所に来た。 「!? 戦車後退!! 」 戦車が急停止すると弾が目の前に着弾する。 「此処に伏せてたか。山縣さん。榴弾を、崖に向けて撃って」 「はい」 装填手が榴弾を装填すると間髪入れず榴弾を発射する。 目の前直ぐの崖上側で爆発が起こる。 そのまま後退をしながら今度は川側に居るファイアフライに照準を合わせる。 「5秒後停止!! 5.4.3.2.1停止!! 撃て」 刹那山縣さんが引き金を引き絞る。 発射された弾がファイアフライのエンジン部に当たる。 よし。まず一両目。 『一ノ瀬車。命中。行動不能』 「よし。一年諸君これが君らの実力だよ。これからも自信持って頑張って」 「そのまま後退!! 崖の上の那須さんの車両を狙う!! 追われる狼は犬と同じだ。豹の顎で狼の土手っ腹を喰いちぎる番だ。さぁ逃げろ。私を愉しませてくれ」 自然と顔がニヤケて来た。さぁ何処まで愉しませてくれるかな?
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