prologue:出会い

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漸く渡航船が学園艦に接舷すると、柳行李とスーツケースを持ってタラップを上る。 「普通科転入生。池田夜宵です」 その場に居た船舶科の警備班に転入届けを見せる。 「確認しました。ようこそ聖ウェストミンスター女学院へ」 「ありがとうございます」 警備班の生徒に頭を下げ、上へと向かう。 「ふぅ。此処が新しい学び舎か」 街まで上がり、学園の校門前まて来た。 なんかカッコつけてみたけど、特に意味はない。 そう言えば、サンダースと聖グロの姉妹校ならお嬢様学校なのだろうか? 「あ!! 夜宵!! 夜宵じゃん!!」 私に気付いた一人の生徒が驚いた様子で近づいてくる。 うん。知った顔。 「どうしたの!? いつ日本に帰って来たの!?」 「んー先週末。咲綺聖ウェストミンスターに入ってたんだねー」 一ノ瀬咲綺(イチノセ サキ)。 私、池田夜宵(イケダ ヤヨイ)の幼馴染。 緩くパーマのかかったブルネットのロングの髪。 私が留学する前はストレートだったからパーマ掛けたのか。 まぁ咲綺小さい頃からお洒落好きだもんねぇ。 「うん。夜宵に入った時メールしなかったっけ?」 「あー……。なんかされた様な気もする」 「あーうん。相変わらずみたいで良かったわ。夜宵は」 何故溜め息をつかれたんだ私は? なんか咲綺にお決まりみたいな顔されたんだけど?
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