prologue:出会い

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「みんな~。助っ人連れてきたよ~」 格納庫横の洋館が部室の様で、そこのドアを開けた咲綺が言う。 「咲綺おつ~。え? 助っ人? 教官とか?」 「違うよ瑞希。転入生の池田流次期家元。池田夜宵ちゃんです」 「先輩。池田流ってなんですか?」 …………まぁだろうね。 戦車道池田流。 まぁ私の実家なんだけど、その昔は日ノ本に池田流有りって世界で賞賛された、西住流、島田流に並ぶ三大流派だったんだけどね。 まぁそんな話も今は昔。 両家と違いすっかり没落してしまい、一応日本戦車道連盟の理事のイスは持ってるけど、圧倒的に両家に勢力に劣るって流派。 池田流の没落の原因はコレといった特色がないからだろう。 その場の状況に合わせて臨機応変にやる事が重要視されるから。 なんでも初代家元が戦車道は自由で柔軟な思考で行わなければならないって言ったのが大きいと思う。 門下生も今じゃ珍しいのも事実。 そりゃ西住流や島田流の方が花があるから仕方ないよね。 「えー知らないの?」 「知らなくて当然だよ。なんせ門下生も少ないマイナーな流派だしね。御紹介に預かりました。池田流戦車道家元の生まれの池田夜宵です。今後当校戦車道部にはお世話になるかと思いますがどうぞよろしくお願い致します」 私はその場に居た皆さんに頭をさげる。
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