第壱章「入部試験」

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「咲綺チーム、那須さんチームはどれ乗るの?」 「私達はファイアフライ」 ファイアフライか。面倒だな。 「んじゃウチはパンター借りるよ。さて、仲間選びだ。車長は私として……、えー一年生の皆さん。まぁエース二人とのせっかくの対戦だ。やってみるかい?」 全員が少し不安げなものの歓声を上げる。 やる気はよし。まぁ少しビビってるけど。 「ヨシヨシ。んじゃゼロヨンか、耐久かのドライバーいるかい? 勿論控えでもいい」 咲綺によるとゼロヨンは日本屈指の強豪校で選手層は厚いから控えの腕のイイ一年がいるハズ。 「はい」 「おーいたいた。君名前は?」 黒髪を赤い紐でポニーテールにしている生徒が手を挙げる。 「1年国際経済科Aクラス瀬奈明李(セナ アリ)です」 セナって聞くとアイルトン・セナが浮かんで如何しても速そうなイメージがあるよね。 「瀬奈さん。パンターの操縦は出来る?」 「やってみます!!」 そのチャレンジ精神はいい事だよー。 「んじゃ次は砲手。んー誰が良いだろうか……」 一年生の砲撃演習の成績表を見て考える。 横に一応全員の特筆点が乗ってる。 お、銃の所持免許持ってる娘がいる。中学クレー射撃の全国大会出場か。 「商業科C組山縣那央(ヤマガタ ナオ)ちゃん居る?」 えーっと何処に居るかな?
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