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意識し始めたのは、いつ頃だろうか?
正直、忘れてしまった。
今、その事は重要ではない。
私が夫とは違う男性を意識してしまっているという事実なのだ。
何度も間違いだと思い込んだが、想いは募るばかり。
これでは不味い。
何せ、夫の大貴も先輩の史岳も同じ職場なのだから。
いつかは大貴に気付かれてしまう可能性だってある。
だが、消せない想い。
そこで、私は一つの決断をした。
それは――――
『○○株式会社、茨城イチゴ狩りツアーのバスです。 後5分で出発になります。』
会社主催のツアー旅行で、最初で最後の思い出を作る事。
それで想いを断ち切れるかと言われれば嘘になるが、何もしないよりは気持ちに整理は付けやすい。
誘うのに苦労したが、何とか行ってくれる事になった。
勿論、夫が休日出勤で参加出来ないのを見越した計画だ。
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