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武道館は大混雑の大賑わいで
由香里は、場違いながらも、
ふよふよと漂うように会場を歩いた。
えーっと、どこだっけ?
言われていた場所をスマホで確認しながら、看板を頼りに足を進めた。
会場には、すでに
戦いの声が響いていた。
由香里は2階にあたる場所から、
見守ることにした。
本当は顔を見せて欲しいと言われていたが、1階の武道館2の入り口に行くと、
大会に臨む学生たちで、他所者がふらふらと行っていい雰囲気ではなかった。
2階から東堂を探す。
みんな道着をつけていて、
見つけるのが難しい。
対戦の時間の目安も教えてもらっていたけれど、なんせ剣道のルールも知らないし、
まさかもう終わってしまってることもあるかも…
と、少し不安になりながら会場に目を凝らす。
パタパタ、
とこちらに爽やかに手を振る人がいて、
目が止まる。
同時に
キャー!
と黄色い声援が。
あ、いた。
良かった。
まだだったようだ。
最初から東堂ファンの子を頼りに探せば良かった。
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