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四方八方から蝉の声が痛いほど鳴り響いてくる生い茂る背丈ほどある草木をかき分けながら、いつもは私の後ろを付いて来る小さな背中を、今は逆に追いかけている。
額と言わず、所構わず汗が溢れてくる。
背中に伝う汗を気持ち悪く感じながら、気休めにもならないが、手で額の汗を何度も拭った。
どれだけ歩いたんだろう。まだかな…
…歩くの速い。俊のくせに…
しんどいし、休憩したいけど、言うのが悔しくて、
必死でついていく。
「もうすぐだよ。」
甘ったれた顔が励ましてくる。
自分の場所だからって、随分強気じゃない。
せっかく気を使ってくれてるのに、不満ばかりが頭に浮かぶが、素直に頷いてしまう。こいつの顔にはそういう作用がある。
「ほら。」
突然
視界に広がる大きな青空に、光
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