ホントにホントに誤解だってば!!

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気象庁が梅雨明け宣言をして数日が経つ。 空はどこまでも蒼く、それはこれからさらに暑くなる日々のために空の熱を温存しているようでもあった。 この孟宗高校では今週からテスト週間で半日授業になっていた。 しかしテスト週間とはいっても全員が全員、真面目に勉学に励む訳がない。 そして2年3組の教室にも、勉学に励まない生徒、浜野と鈴木が居た。 「あーあちぃー。鈴木ぃ、ガリガリソーダ奢って」 「アホか。しるこドリンクでも飲んでろ」 あまりの暑さに、浜野は机に突っ伏している。 少しは風でも吹いていれば涼がとれるだろうに、開け放している窓からは、残念ながら何も入ってこない。 「あぁぁぁぁーー……俺ぁもうダメだぁー溶ける……」 浜野のダラけっぷりに、鈴木は再度「アホか」と短くツッコミを入れ、窓の外を何の気なしにぼんやりと眺めた。しかし、すぐに鈴木の表情が変わった。 数十メートル先にあるプールを見つめ、鈴木はまっすぐ指をさした。 「浜野、あれ、見てみ」 「んあ?」 鈴木の指し示すプールには、今まさにプールの手摺を握ってプールサイドに上がろうとしている女生徒が居るではないか。
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