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(なんでこんな幻覚が見える……)
すっかり姿を完成させた愛梨は、白米を這わせ、得体の知れない体液を白米の塊と一緒に下半身から、びちゃ、ぐちゃ、と垂れ流しながら、一歩、一歩、と、近づいてくる。
愛梨は、僕との距離を縮めて、ついには目と鼻の先までに近づくと、視点の定まらない水晶体を止め、僕の視線に合わせて一点を見つめだす。
抵抗したくても身体が動かない僕は、ただ、ただ、【愛梨に似た何か】が次に何をしてくるのかを観察するしかなかった。
そして【愛梨に似た何か】は、僕の首に手を掛けて呪いの言葉を吐きながら、ぎゅう、と、締め付けた。
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