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すっかり火照った身体は、日陰を求め、店内に入るようにと催促を促す。
抵抗する気力も理由も無かった僕は吸い込まれるように店内へ入るといつもの日常が広がっていた。僕は見慣れた店内と店員に、ほっ、と、胸を撫で降ろした。
「あれ、雷太さん……?」
ほっ、と、したのも束の間。
急に名前を呼ばれたためか、完全に意識が無防備だったために心臓が慌てだした。
高まった心拍数のまま振り返ると、馴染みの店員が不思議な表情でこちらを見つめていた。
「こんな早い時間に来店されるだなんて珍しいですね……。随分酷い恰好していますけれど、大丈夫ですか?」
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