夢魅る人々

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「……今日、お前の部屋に泊めてくれないか?」 「……え?」 突然の申し出に、口を開きっぱなしにして僕を見る馴染み店員。 当然だ。会話の繋がりもまったくないのに、顔見知りの男からいきなりそんなお願いをされたら誰でもこうなる。 確かに、今更アパートには戻りたくない。それが本音だ。 だからといって、流石にこのお願いは無茶苦茶だ。 「……」 自身の発言に後悔している一方。 馴染みの店員は、今にも沸騰してしまいそうに顔を赤らめて、身体を震わせていた。 そんな表情をされたら、僕まで恥ずかしくなる。
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