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水受けは白米が抵抗を続けるせいで排水溝が詰まり、ぐちょぐちょ、と、蠢き続けていた。
その光景があまりにも気持ち悪かった僕は、水受けに両腕を浸して蠢く白米達をひたすら握り潰してから排水溝に押し込んだ。
しばらくその作業に没頭し、ようやく幻覚から解放された僕は、いつも通りに痒い腹周りを掻き毟った。
痒みが収まり、いい加減に愛梨が心配するだろうと思った僕は、吐き気を飲み込み続けながら鏡に映る憔悴しきった自身の表情をいつもの状態に戻して、平常心の維持に努めた。
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