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近くのコンビニで、牧野を待つ間に吸う。
部屋では極力吸わない。
煙がゆらゆらと昇る。
あー。
こうなっちゃったか。
なんだかふわふわした失望という感じ。
酒を買って、先に出てる。
家にも酒はあるけど。
「飲むんだ、お酒」
「寝酒。好きなわけじゃない。」
「ごめん」
「別に」
すごく不機嫌だと思われてるだろう。
マンションへと並んで歩いた。
「牧野って寝つき良いのな」
「うん」
「適当に座って。俺が酔うまでは起きてて」
「え?」
そのまま棚から瓶を取り、マグカップに注ぐ。
「牧野、終電無いって嘘だろ」
「バスだよ、電車はあるけど、そのあとのバスが、なかったのは本当、だって……」
今日はアイメイクしているのか、瞼が光っている。
牧野のくせに。
「終電なくなった、って言えばホイホイ連れ込む。俺のこと純情な童貞だとでも思ってんの」
「思ってないよ!!どっちかと言えば食ってはポイだと思ってるよ」
ひでーな。オイ
マグカップの底に残った酒をあおった。
牧野が嘘を言ったからって、俺の家に来る以外の選択肢もあった。
朝までどこかで時間を潰すとかでも、付き合うつもりだった。
女友達の家に泊まるなら、送ってくつもりだった。
上等だ、
牧野なら。
それなのに
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