応援、する？

「ね、聞いた？」

「ん？」

「ヒカル、帰ってくるんだって」

「……え？」

あたしとカエデとヒカルは、物心ついた時からずっと一緒だった。

だけど中学になって、少しずつ三人の関係が変わって……。

「マジで!?　やったー!!」

「だよねー！」

すっごく嬉しそうに笑うカエデ。

ごめんね、ヒカルとのお別れの時、あたしわざとヒカルの乗る電車の時間をカエデに教えなかったの。

ヒカルが居なくなって、次の日カエデの瞼が腫れてるの見て、後悔した。

「また一緒に遊べるね！」

「うん！」

今度はちゃんと応援するから……。

ぱしゃーん……。

「あ……」

「……水たまりで跳ねるから」

あたしのスカートは泥まみれ……。

「ご、こめん！」

「……いいよ」

やっぱり、応援するの、止めよかな……。