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そんな私とはうらはらに、雨によってそのきらめきをより鮮やかなものにしている彼は、いつも僕たちは休みもなく光り続けてきたのだから、長雨が続いているこの季節くらいは、雲陰に横たわってゆっくり休めばいいさ、と相変わらずのんきなことを言っているのだ。
私はそんなにのんきにはなれない。
なれないけど、絶えず緊張感を手放すことなく、常にストレスの糸をぴーんと張って、夜もろくに眠れずにいた私にとって、彼のようにとてものんきで、全てを包み込む寛容さをたたえている存在は、私にとっても、他のこの街に暮らすニンケイたちすべてにとっても、なくてはならない存在だったのだ。
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