ハルちゃんは、欲張りさん

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ーピンポーン♪ 「ゆみこ~ハルちゃんが遊びにきてくれたよ~」 ママの声を聞いて私は自分の部屋から大きく返事をする。 「はーい!今行く~!」 今日は、私のお家でハルちゃんとおままごとをするんだ! 嬉しくて走って階段を降りようとした時に、 私は足を滑らせてズダダダダッと階段を転がり落ちた。 「ゆみこ!!!!大丈夫?!?!」 下まで転がり落ちてきた私をママは抱きかかえて叫んだ。 「腕がズルズルで痛いよぉ!!!!」 滑り落ちる時にとっさに手を出したので、頭を打つこともなく、怪我は腕だけで済んだので、ママはホッとして私の頭を撫でた。 「腕だけで済んでよかったわ。頭を打ってたら大変だから!さ、消毒しましょう。ハルちゃんも呼ぶわね」 ママは私をソファーに寝かせて、ハルちゃんを部屋に入れた。 「ゆみちゃん大丈夫!?」 ハルちゃんは私を心配して、私の元まで駆け寄ってきてくれた。 「うん。大丈夫。腕は痛いけど…」 私が腕を見せると、ハルちゃんは目を大きく見開いた。 「じゃあ、ハルちゃんちょっとごめんね。ゆみこの腕消毒するねー」 ママが救急箱から薬を取り出し、私の腕につける。 「いたああああい!」 痛みに私がジタバタと暴れると、ママが仕方ないでしょ!と私を怒った。 そんな私とママを見ながら、ハルちゃんはゆっくりと口を開いた。 「こんなに怪我してると、大きなかさぶたができるよね?」 「そうね。大きなかさぶたができるでしょうねぇ。ゆみこったら本当落ち着きがないんだから…」 ママがそう言うと、ハルちゃんは目をキラキラとさせて、大きな声で言った。 「ゆみちゃん、かさぶたができたら、ハルに食べさせてね!!! ハル、かさぶた食べるの大好きなんだ!!!」 ハルちゃんの言葉を聞いて、私とママは声を揃えて言った。 「えっ…嘘…でしょ…?」 終わり。
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