高慢―pride―

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粉々になった硝子の破片みたいに光る景色を大きな窓から見下ろしながら、独り溜め息をつく。 「あれ、もう帰るの?」 すっかり身仕度を終えたアタシを見て、男が上体を起こすと、弾みでシーツが下がり、茶褐色の裸体が顔を覗かせた。 40代という年齢にしてはかなりイイカラダと言える。 腹筋も割れていて、全体に引き締まっている。 でも、それだけだ。 あとは大手の広告代理店の部長という肩書があるだけ。 セックスは最悪だった。 遊び慣れていそうだったし、若いオトコよりは幾分マシだろうと思ったのに。
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