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「この夢のなかで、ずっと……逃げずに、わたしと一緒に過ごしましょう?」
姉にはなかった、薄ら寒い笑み。
「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
僕は、頬に触れる女の手を振り払い、玄関へと走り出す。
さっきと違い、今度はがちゃりと、ドアの外の世界はしっかりと僕の身体についてきた。
そのまま靴も履かずに、僕は道路へとかけ出していく。
あの日――それは、今日? ――と、同じように。
僕はただ、姉から逃れたい一心で、家の外へと飛び出していき。
「……えっ?」
白い閃光が、僕の目に入ってくると同時に。
同じように車に牽かれ、意識を失ったのだ。
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