第2章 1分間

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「ふうん」 「ふうん、て!違うの?」 「いや、ないかもね。分かってる」 言いながらアンジュは 生乾きの髪をタオルで拭う。 「僕はやり過ぎちゃうんだ。特に可愛い物にはつい――」 蜂蜜色した艶やかな髪は 「しちゃイケないこと、したくなっちゃうんだよ」 軽くウエーブして すぐに柔らかく膨らんだ。 アンジュはもう一度虫篭を覗くと。 振り返り僕のそばへやって来た。 「言ってる意味、分かるかい?」 彼の長い指が おもむろに僕の髪を梳く。
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