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「ふうん」
「ふうん、て!違うの?」
「いや、ないかもね。分かってる」
言いながらアンジュは
生乾きの髪をタオルで拭う。
「僕はやり過ぎちゃうんだ。特に可愛い物にはつい――」
蜂蜜色した艶やかな髪は
「しちゃイケないこと、したくなっちゃうんだよ」
軽くウエーブして
すぐに柔らかく膨らんだ。
アンジュはもう一度虫篭を覗くと。
振り返り僕のそばへやって来た。
「言ってる意味、分かるかい?」
彼の長い指が
おもむろに僕の髪を梳く。
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