《第6章・愛情ストーリー》

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アサヒコーポレーション、夕方終業後。 舞は上司から指摘された箇所をなおす為にため息をつき椅子に座る。 『まーい、朝から様子おかしいわ…3回目のダメだしでしょ』 『優香…訂正箇所見てたら目が疲れちゃって怒られるのもあたしのせいだから』 椅子にまわり優香が舞の肩を揉み始めた。 『手伝うわ』 『ううん』 『じゃあ待ってる』 『孝典くんが待ってるわよ』 『彼はあたしの友達を大切にするわ、だから平気』 舞はクルンと椅子をまわし優香の両腕を掴んだ。 『孝典くん以外の人の誘惑に負けちゃダメッ』 『舞?もしかしてひつこい河田さんのメアド攻撃? 舞につき合ってご飯に行くけど、孝典はいつも駐車場で待っていてくれるわ』 『孝典くんらしい』 『彼は誠実よ、だからあたしも孝典だけしか目にはいらない』 『あはは…ごちそうさま。良いなぁ~優香愛されてる…』 『舞…あの釜飯処後に何かあった? 河田さんと喧嘩した?』 『優香がうらやましい』 涙が滲みハンカチを当てる舞。 コンコン‥ サラサラの髪の孝典が出入口で覗いてる。 『優香どうかした?』 遠慮がちに入り2人の側に来ていた。 『ダメだし?いつまで?』孝典は2人の横からパソコンのキーに手を当てる。 ストライプのネクタイが微かに揺れた。 『孝典くんいいよ…』 遠慮する舞。 『でも…』 2人は側に座りジッと舞が仕事を終えるまで待っていてくれた。 終業5時から2時間が経とうとする頃に確定を押し電源を切った。 あたしは河田さんが優香を誘惑しようとも、 優香を恨んだりしない! 彼女はあたしから見ても良い女だもん… 自慢の友達… 孝典くんだけを見ていてね… 大好き… 優香…孝典くん… 3人仲良く連れ立って会社を出ていく。 待っていたのは相川もだった。 『相川さんっ!』
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