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「こんなタイミングで言うつもりなかったのになー。失敗したかな…ははっ」
「こんなタイミング?」
「だってさ、今日は人生で一番最悪な日…でしょ?」
「最悪……ねぇ…」
「ハッピーなのはあの二人と、好きな人がフリー確定になった私くらいじゃない?もう少し、にぃにが楽しい気分の時とか選んで告白したかった!」
「ふは(笑)そーかもな。でもそれを言うなら、人生で一番最悪な日は、オレの誕生日だよ。なんてったって、このポジションで産まれちまったんだからね」
「私は、にぃにが私のお兄ちゃんの幼馴染みで産まれてきてくれて嬉しいよ?そうじゃなかったら好きになってなかったかもしれないんだから」
「いやいや…。なんか文章がおかしくねーか?そーゆーこと言うなら“どこでどう出逢っても好きになってた”とかじゃねぇの?」
「あれ?(笑)」
「兄貴の幼馴染みならどんなやつでもいい…って聞こえたんですけど」
「そっか(笑)…じゃあ言い直す!」
「遅ぇわ!」
「聞いて聞いて!」
「いやですー(笑)」
「…………好き」
「………」
「にぃにのこと…ずっと好きでした」
「……」
「何か…言ってくれないの?」
「オレとどれだけ歳が離れてるかわかってんの?」
「わかってるよ?歳が近くたって叶わない恋してた人が何を言ってもダメですー」
「ふはっ……そりゃそーだ」
「あーあ……そろそろ帰ろっかなー」
「………」
「誰かさん、ちゃんとした返事くれないしー!」
「はは……」
「とーぜん、にぃにのおごりでしょ?」
「しゃーねぇわな」
「ごちそうさまでした」
「はいよ……マスター帰るわ…え?雨?あ、そうなの?…千紘お前、傘持って…るわけないよな。マスター!タクシー呼んでくれます?……え?台数は………
あぁ……えぇっと…
1台だけで………」
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