序章 《東雲の血》

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その俺が何故東雲の実家に来たかと言うと、 まず、約束を果たしに。 母さんは祖父ちゃんと約束していたらしい。 今度は、皆で来いと、母さんはそれを約束した。 まぁ、一人余計なのが着いてきたんだが・・・ そして、もう一つ 俺が持っているという東雲の血。 その血が持っているという力について、話を聞き、尚且つその力の使いかたを教えてもらう為だ。 あの時は、たまたま上手く言ったが毎回毎回上手くいくとは限らない。 あんな事件が度々起こられても困るが、起こらないとも限らない。 そこで、ちゃんと身に付けようと思ったわけだった。 母さんは呼び鈴を押した。 「しばらく待つわよ。」 「え?何で?」 「入れば分かるわ・・・」 母さんのいう通りちょっと待って漸く、誰かの声が聞こえる。 ギィィィと、古い扉ならではの軋む音と共に扉が開く。 そこに立っていたのはちょっと年の取った年配の女性だった。 「怜香さま。お待ちしておりました。 旦那様も待っていますので、さ、どうぞ」 お手伝いさんらしい。 「ありがとう。マキさんただいま。」 「お帰りなさいませ。こちらの男の子が泰史さまでございますか?」 「えぇ、そうよ。ほら泰史挨拶なさい。マキさんよ。家に昔から来てくれているお手伝いさんよ。」 「初めまして。広・・・・・東雲 泰史です。」 まだ慣れていないので前の苗字を名乗る所だった。 「マキです。宜しくお願い致します。 えっとこちらのお嬢さんは?」 「あ、その子は泰史の将来のお嫁さんよ。」 「ちょっ!母さん!!」 俺は真っ赤になる。 智里は智里で反応がないどころか 「初めまして。東雲 智里になる予定です。今はまだ中村 智里です。宜しくお願いします。」 とか言ってるし。
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