序章 《東雲の血》

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やはり、人は見た目で判断しちゃいけないと思い知らされた。 話してて分かったがものすごいいい祖父ちゃんだったのだ。 最初の声以降はとても同じ人とは思えないほど声色が変わっていたからだ。 「それで怜香の手紙に書かれておったが泰史よ。自分の力が恐いか?」 俺は少し考えてから伝えた。 「恐いよ。それで智里をいや、智里だけじゃない。回りに何かあると思うと恐いよ。」 「お前自身は恐くないのか?」 「俺は、自分より自分のせいで回りに何かあるのが一番恐いよ。」 「ふむ。やはり母さんに似とるな。」 「えっ?」 「母さんも。お前の祖母ちゃんも同じことをいっとった。私が失敗するのはいい。だけど周囲に危険が及ぶのが何よりも恐いとな・・・」 「祖母ちゃんも・・・」
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