なぜ君は…

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でも私は聞いてしまった。 卒園式が終わったあとの帰り道 李徴くんと一番仲良かった男の子が李徴くんの悪口を言っているところを。 『毎日あの子を見れてお母さん癒やされてたのに残念だわ?○○もあの子みたいになってくれないかしら ○○も寂しいわよね李徴くんと別の学校なんて』 『そんなことねーしお母さん!あいつ俺の好きな子取るし最悪離れられたし今度こそあいつに好きになってもらうんだー!』 『あらやだ!この子ったらオホホホ』 私は卒園が嫌で泣いた後だったから呆然として悲しかったのを覚えている。 あんなに仲良かったのに… ショックだった。 人気者だと思っていた李徴くんがこんなふうに思われているなんてと それに、李徴くんが可哀想になった。 これを聞いた李徴くんはきっと悲しむだろうなって思った。 今思えばこの話も李徴くんは聞いていたんだね。
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