執念深い

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執念深い

そして、高校入学して3ヶ月後 李徴くんは突然 行方不明になった。 いつも一人だった李徴くんは根暗って思いつしか思われて。 いなくなっても【やっぱりな】って思われるだけだった。 クラスから孤立した存在の末路 不登校 みんなそんな程度しか思ってなかった。 けれど、あの日李徴くんが読んでいた本が気になって行方不明になったと先生に聞いたその日の放課後、何かヒントがあるのかもと机の中から手にとった。 人の物を勝手に…とは思ったけど、この本の中に出てくる場所に行ったのかなって思ったから。 本を開いて1ページ目 自分は後悔した そこに書いてあったのは 楽しいファンタジーじゃない 少し考える推理小説じゃない 論文でもない これまで深く深く傷ついた 李徴くんの心の奥に潜んでいた 本音だった。
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