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笛の音と
サイレン響く
夏の夜
疲れた…。
ポリスメン共め…意外にしつこかった。
手入れが行き届き新品の様な、しかし傷や借りる前からある噛み後はそのままの美樹ちゃんのリコーダーを吹きながら、外のサイレンとデュエット中の俺は、今日の悔しさを噛み締める。
だが、同時に達成感を得ていた。
頭の上で猫耳を模しているDカップアイテム
「俺もタダでは転ばんさ…気づかなかったようだな。
ふふっ、傭兵少女よ…今回は引き分けとしよう」
あの濃厚な時間は忘れられそうにない。
クーパー靭帯の魔術…
スカートから覗く太股のチラリズム妖術…
記憶に新しい…いや、きっとこれは何時までも鮮明に残るだろう。
本来ならば、俺は隠密主体なのにも関わらず正面から行きたくなるほどに濃厚な時間だった。
「この宝と、今日と言う日の記憶は…家宝には勿体無い。
誰にも譲らずバレぬよう俺だけの宝として'墓場まで持っていこう'なんて[ピンポーン]ん?」
夏の夜風を楽しんでいる俺のアパートにチャイムの音が響いた。
やれやれ、こんな時間に誰かねぇ…
玄関を開けると、二人の男が立っていた。
「こう言うものですが
近くの女学生から通報がありまして
それについて、お話が」
そういうと片方の男が手帳を見せつけ
片方の男が俺の宝を指差した。
やれやれ…
俺は鈍感ではない。むしろ鋭い方だ。
全てを察した俺は、深呼吸をして息を整えて
「持っていっていいですか?」
「ダメです」
窓をぶち破り駆け出した。
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