譲れない!譲れないんだ!

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中学時50メートル7秒98の記録を持つ俺の足についてこれるか? いや、あのおっとり少女では無理だろう。 形良いDカップが揺れているのが用意に想像できる。ついでに、行が上がっている様も… さらには、少女は学校指定のスカート…追い付ける訳がない。 「すまないな…これを、譲る訳にはいかないんだ」 「ゆ、譲る譲らないじゃなくて、それは桜ちゃんのパンツです!」 「なっ!?」 バカな!俺の後ろから声だと! スピードを落とさず振り向けば、揺れている。 右に左に上に下に… くっ…クーパー靭帯の魔術師め!なんという魔術! しかも、この少女、走るフォームが本気すぎる! こやつ!T-2000か!? 「か、返せば見逃すというのか!」 「いいえ、下着泥棒は通報します!」 「くそっ!鬼か貴様!」 仕方ないか…本気を出すとしよう。 風は追い風。いける! 過去に一度だけ高校時代クラス最速だった奴を超えた事がある。 今、その時と似ている。 奴が惚れていた美樹ちゃんのリコーダーを借りた時に追い回されたあの日! 追いかけられている状況! そして、持ち去れと世界が味方していると言っても過言ではない追い風! ふふっ…俺は世界に愛されている! 「さらばだ!少女よ!」 橋に差し掛かった所で、俺はさらに速度を上げた。
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