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…おかしい。
俺は加速した。
それは間違いない。
ならば何故、何故なのだ!
「もしもし!警察ですか?
下着泥棒です!はい、はい!」
何故、少女は息も切らさず電話をしながら加速してきているんだ!
ちょっと俺は息が上がり始めていると言うのに…
更には、警察だとう!?
応援を呼んで、俺を包囲する気かッ
少女は傭兵少女だとでもいうのか!
「どこまで追ってくる気だ!」
「桜ちゃんのパンツを返してもらうまでです!」
くそっ!このままでは包囲されてアウト…
路地に入って撒くのも手だが傭兵少女相手に体力が持つか分からん…いや、無理だ。
大学の時、教員にパイタッチ対決をした時の様な持久力もない。
くそっ…背に腹は変えられないか…
今、追ってきている傭兵を退かせれば応援の奴等は撒ける。
最近のポリスメンなんて、諦めの早い野良犬と変わらんさ!
しかし、今、投げ渡して退くのか?
いいや、その隙についでと言わんばかりに捕らえられかねん。
宝は俺の手の中にある。
傭兵の気を確実に俺から外す為には…
「く、くそっ!」
「地味に追いつけないっ!
桜ちゃんのパンツー!」
もう少しだ、次の曲がり角が勝負!
にしても、この傭兵…友人の名前とパンツを連呼するとは…恥ずかしい奴め!
「パンツー!」
ここだっ!
俺は、曲がる瞬間にわざと足を縺れさせ、速度はそのままこける。
だが、前もってこけると分かっているなら受け身も完璧!
こんなこともあろうかと通信教育で柔道を足したんでいて良かった。
もちろん、こけるだけではない。
ポケットから宝をばら蒔く。
無数の布…白や黒、ちょっと背伸びした大人な感じの物も猫ちゃんプリントの物も…
くそっ!くそっ!
身を裂く思いだ。
だが…
「あ、あぁ!こんなにも!」
傭兵少女は、必死に俺の宝を我が物とせんとかき集めている。
ふと、奴は同類なのでは?と思ったが同類な訳がない!
ハッ!違う!それより今は走らねば!
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