夢なのか現実なのか

12/12
2114人が本棚に入れています
本棚に追加
/253ページ
だけどそのお嬢様がなぜ会社勤めをしていて、異常な食生活を送っているのか。 お嬢様育ちで料理ができなくても、今の時代お金さえ払えばなんでも食べられるのに。 あ、もしかしてあれか。 身の回りの世話をしてくれる人がいないと、一人ではなんにもできないとか? 実家は執事とかメイドとかのいるような豪邸だったりして。 あれ?じゃあなんでまた一人暮らしなんかしてるんだろ? …一人暮らしだよな? 誰かと暮らしてたら、何かしら食べさせるはずだ。 杏さんは会社では私生活とか交友関係とか、プライベートな事をまったく話さないからわからない。 本当に謎多き人だ。 そういえば、恋愛はしたことがないって言ってたっけ。 あ…変な夢思い出した。 夢の中で僕は杏さんに、信じられないような事をしていたし、僕らしくもない事を言っていた。 杏さんを泣かせたいとか。 怯える杏さんがかわいいとか。 僕が教えてあげるとか。 夢とは言え、思い出すと恥ずかしい。 美玖に言われた言葉に腹が立って、強気な杏さんにイライラをぶつけたかったんだろうか。 それとも僕の中に、僕も知らないあんな願望でもあるのかな? いやいや…。 僕はサディストでも俺様でもないし、どちらかと言うと世話焼きなフェミニストで、普通に考えて現実では有り得ない。 所詮、夢は夢って事だ。
/253ページ

最初のコメントを投稿しよう!