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レジの方を見ると、女子高校生が薬のびんとビニール袋がセットになっているものを買っている。
何だろう、と思っていると、あの男だ。
「シンナーですよ。便利でしょ。」
「しかし……。」
「彼女たちはあれを必要だと思っているのだから仕方がない。それを売ってあげるのが私の勤めです。
でも大丈夫ですよ。あれは香りがするだけで、実は偽物なんです。害はありません。」
「………。」
「あなたもやっと少し私の言うことがお分かりになってきたようですね。
そうです。彼女たちが本当に欲しているものは、実はそういうものなんですよ。
なかなか世のため人のためになる商売だと思いませんか。」
「あなたは一体………。」
「おっと、お客さんはずいぶんひどい状態になってしまいましたねえ。
昨日ちゃんと雑炊を食べましたか?
どうせ医者になんか行ってないんでしょ。
こんなときは薬があるといいんですがね、さすがにこればっかりは役所の問題があって思うようには行かないんですよ。
そうですね、やっぱりこれしかないですよ。
睡眠薬です。
これでたっぷり眠れば、いいことがあるかも知れませんよ。
ただし、気をつけてくださいよ。これはさっきのシンナーとは違って、正真正銘の本物ですから。」
「………。」
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