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「誰か、助けて?」
──書き込んだのは、今日。
もう、沢山のイイねがついた私の投稿。
でも
(誰も助けてくれないらしいな)
イイねはついたはずなのにコメント欄には、アプリの告知だけ。
自重気味に笑って家をでた。
そんな私は
《丹波 幸》
《たんば こう》
男みたいな名前でしょ?
帽子を深く被った。
もう深夜なので当たり前だが周りは真っ暗。
その景色と比例するように私も黒く染まっていくようだ。
タンタンッ、
階段を登る。
結構な高さのあるこのビルは最近の私のお気に入りだ。
そしてドアの前に立つ。
『ふふっ、今日もあった…』
ドアに貼り付けられた紙には、
《学校お疲れ様。今日は何かいい事あったかい?それとも辛いこと?僕は君の味方だ。いつでも頼って欲しい。090-****-****
雅》
顔は分からない。
名前は微妙だが、
声は聞いたことがある。
とても、懐かしい感じがした声だった。
歳も同い年でどうやら隣の高校らしい。
まぁいい、今は彼だけが心の拠り所だ…
とりあえずいつも通りに返事を書く。
《ありがとう!何にも無かったよ普通に過ごしてた。辛いこと、毎日かな?
でも、雅がこうして相手してくれる事が一番楽しいよ! 幸》
『ふぅ…』
ため息をついていつものようにドアに紙を張り付けた。
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