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そんなとき、僕らは約束した。
「達也の肩のことは、死ぬまで誰にも言わない」
なぜなら、達也がプロ野球選手になることを心の支えにしている人がもう一人いたからだ。
病弱で、いつも保健室にいる千早。隣のクラスの女子。
ひそかに達也を好いていながら、高嶺の花と諦めては達也がプロになったときに一番目のファンになるんだと楽し気に話していた。
実は2人が相思相愛だと言えたらどれだけ楽だったか。
達也の肩は、中学生のころに放った淡い光でさえ、人を虜にし引き付ける何かを持っていた。
もう光を出せないというのに。
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