少年の一歩

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卒業証書丸めて帰る途中。 「達也、ごめんな」 「なにがだよ」 「お前の肩のこと。一生誰にも言わないって約束したのに、あの日、破っちまったな」 達也はぶはは、と飲んでいた炭酸を吹き出しそうなレベルで笑い出した。 「なんだ、そんなことかよ」 「そんなに笑わなくてもいいだろ?」 「ははは、ごめんごめん」 ひとしきり笑った達也は、ふと居ずまいを正して、こちらを向いた。 「3年間、ありがとな」 「ななななにがだよ」 今度はふふっと優しく笑った。 「助かったんだよ、おれは」 不意に、涙がこぼれた。
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