青天の霹靂

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「ゲホ…グアッ」 達也はクラスルームが終わってもなかなか立ち上がらなかった。 「おい達也~早く机詰めろよ~」 焦れた後ろの席の奴が肩に掛けた鞄を揺らしていら立ちを表す。 クラスメイトの視線は一瞬達也に向かったが、すぐに各々の動きを取り戻してちりじりに散っていった。 だけど僕は目を離せなかった。うつむきがちに机を押してはしばらくそこから動かない達也から。 「おい達也~あとで寄せとけよ~」 後ろの席の奴は急いでいるのか人一人分の余白を残してあわただしく教室を出ていく。 「達也」 あいつの肩がびくっと震えた。 「変に騒ぐなよ」 変な声でそう言うや、達也は机の上に置いた鞄を少しずらした。
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