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オリオンの右肩に駆ける赤い星。
光速が有限であることから、もしかしたらもうこの世にはないかもしれない幻の星。
やれ儚いだのと騒ぐ世間の風潮とは違い、僕たちにとって大切だったのはそれが右肩にあったということ。
これは1部の人間しかしらないこと。
達也は、右肩に爆弾を抱えていた。
県内有数の強豪校が視察にくるほど有名だった達也が普通の進学校に進んだことは、地元じゃ軽くニュースになったほどだ。
その理由を彼は絶対に語ろうとしなかった。診断をくだした医者にも固く口止めをし、親にも秘密にした。
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