5人が本棚に入れています
本棚に追加
取り立てて、不幸な人生だとは思っていません。
もちろん、幸福な道を歩んできた、とも思いません。
興奮し高揚することもありませんし、重く圧し掛かってくるようなストレスもありません。
趣味も、欲しい物も、コレと言って興味のあることもありません。
美味しい食べ物には興味がありませんが、飢えるようなこともありません。
友人を欲しいとも恋人を欲しいとも思えませんが、私を苛めるようなヒトもおりません。
自分を変えたい、などとは思いません。
より良い人生。
より良い暮らし。
興味がない以前にその意味するところが理解できません。
つまらない人間だとの自覚はあります。
ですが、私がこうなのは何も私のせいばかりではありません。
全てはあの十年前の事故以来のことなのです。
そう、十歳の私一人が生き残ってしまったあのバス事故のことです。
最初のコメントを投稿しよう!