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■□■□ 今。 私の目の前には一人の超自然的な存在がいます。 カミサマのような方なのでしたら、一人、と呼ぶのは失礼にあたるのかも知れません。 ですが、その方がカミサマなのかアクマなのかそれともウチュウジンなのかミライジンなのか私には判断がつきません。 きっと、この世界に余分な存在である私を処理するために来たのだろうとは思うのですが、なぜ今頃になって、との疑問も湧きます。 その方には、顔も手も足もありません。 そこに何かが存在しているのは間違いないのですが、どんな大きさをしているのか、どんな形なのか、どんな色をしているのか、どのように動いているのか、いくら目を凝らしてもどうしても私には分りません。 あるいは音であったり、文字のようなものであったり、流体のようなものであったり、変化する光であったり、断続的に続けられる生体活動や化学反応なのかも知れないと思いもするのですが、その都度その都度の一瞬後に勘違いであったと気付かされるのです。 場所がどこなのかも判然としません。 一瞬前まで私は私の部屋にいたような気もするのですが、その記憶も定かではありません。 もしかすると私が部屋にいたのはもうずっとずっと昔の、気の遠くなるぐらい昔のことなのかも知れません。 その方が言葉を使わずに、質問という小さな情報の塊を私に伝達しました。 『過去へ戻りたいか』
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