0人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、なんで!? どうして」
翌朝、ゲームのイベント画面を見て私は眩暈がした。
今日の夕方17:00に終了するイベントの、朝7:00の段階。普段ならば6000位くらいに入っている所、この時点でもう8000位である。完全に予想外だった。
なんで、どうして。疑問符が脳内を駆け巡る。昨日の夜まではゆるやかに、普段通りの推移をしていたはずだ。それが朝になって、急にペースが上がっている。イベントは確かに最終日だし、ラストスパートをかけてボーダーはせりあがってくるけれど、こんなに早いなんて聞いてない。
「おはよう」
寝ぼけ眼をこすって階段を下りてきた弟をつかまえる。現状を把握するためには、おそらく夜遅くまでイベントを走ったこいつに聞くしかない。
「ねえ、ちょっと! あのボーダーどうなってんの?」
「ボーダー……ああ、イベントのこと?」
弟はなんてことないように言う。
「深夜から急にペースがあがったんだよ。普段とあんまり変わらない、つーか緩やかなくらいだったから、今から走ればいけると思ったんじゃない」
最初のコメントを投稿しよう!