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「やばい」
でた結論はそれだった。
現在、通勤中。一本見送った満員電車で座席を死守し、ひたすら画面と格闘している。
目的の駅までは十五分。つめるポイントなどたかが知れている。一時間貼りついてようやく1000人抜ける程度だ。正直雲行きは怪しい。
それでもここまできた以上、撤退することはできない。手にしようとしているのに、手からすり抜けてしまうなんて耐えられない。
最終日はみんな走っているから、いつも以上に――特にボーダー付近は順位の変動が激しい。触らなければ一瞬で下がり、走っていても少しのポイントでは順位はあがらない。地獄を見ているようだった。
心なしが胃がキリキリとしてきた。
会社でイベントを爆走するわけにもいかず、とりあえず始業ギリギリまでトイレにこもってスマートフォンを握り締めた。それでも順位は横ばいくらいで、本当に心臓に悪い。
次に触れるのは昼休みだ。三時間も先の話。就業中も気が気じゃなかった。
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