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「それで、何で急に電子レンジの話題になったわけ?」
肝心な部分が抜けていると千晴が訊いた。
「ああ。プラズマの光を見るのに最適な方法があるんだよ。さすがにレンジ内から取り出すことは無理だけどさ」
桜太は摘まんだままだった竜田揚げを口に入れながら言った。
「火の玉に見えるようなものが作れるんだ」
すぐに莉音が補足してくれた。それで科学部の中の期待度が一気に上がる。
「火の玉?面白そう」
千晴は大きな弁当を平らげながらも興味津々だ。
「これならプラズマの実験が出来るな。林田先生に電子レンジを提供してもらおう」
芳樹も勝手に話を進めてしまう。
「そんな実験がオッケーなら、俺がやりたい色々もいいだろ?」
しっかり亜塔が実験を主張する。何がやりたいか不安だが、まあ林田が何とかしてくれるだろうと思うことにした。
こうしてどんどん怪談からずれていく科学部だった。
<参考文献>
上出洋介著『オーロラの科学 ひとはなぜオーロラにひかれるか』誠文堂新光社
川口友万著『あぶない科学実験』彩図社
薬理凶室監修『アリエナイ理科ノ教科書ⅢC』三才ブックス
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