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その間、ゼロは、全く動かなかったので、マリーは止まってしまったのかと思ったが、そうか!と、大きな声を出して立ち上がったので、安心した。
「そうだ、君はマリー。どうして君を待っていたのか思い出したよ。」
ゼロの表情は動かないが、心なしか生き生きしているように見えた。
「僕は長い間ここで君を待っていた。3年かな、5年かな、分からない。でも、それは、君を僕の島へ連れて行くって約束したからなんだ。」
ゼロは息巻いて熱弁しながら、マリーに近づいていった。
「約束って、誰と?」
マリーはゼロの気迫に押されて、すこしずつ後退していった。
「そりゃあ……」
そして、またゼロは動かなくなった。考え事をしている時は動かなくなるらしい。
「そりゃ、僕のお父さんだよ。あ、お父さんと言っても、本当のじゃないよ。僕はロボットだからね。」
「ちょっとまって、私を島へ連れて行ってどうするの?」
次の質問には、ゼロはすぐに答えた。
「僕の島を救ってほしいんだ。」
ゼロは自慢げに言う。マリーに伝えなければならない内容を確実に伝えられたからだろうか。
「救うって?」
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