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長谷川舞が相川克哉の隣に引っ越して6ヶ月が経とうとしていた。
『舞、ま~い…遅刻するわよ~』
玄関のドアの向こうから相川の声がする。
『待ってよぅ、今朝寝坊しちゃって』
ヘアピンを口に加え両手で髪を束ねる舞、手からスルリと白いリボンが落ちる。『あぁっ、もうっ』
『まいま~い、遅刻ぅ~』
『うるさ~いっ!』
相川さんの悪魔のようなまいまいと歌う声が彼女をイライラさせる。
ガチャツ‥
ドアが開き彼がにこやかに入ってきた。
『お弁当お弁当~』
『気が散るからーっ‥相川さんのせいでリボンが上手く結べない~』
落ちたリボンを彼が拾い結んでる。
『あぁ‥曲がってる~。
っていうか部屋に入ってるし』
『オネエ協定の合鍵使ったもーん』
『あんな協定っ‥』
『えっ?』
『協定用紙なんて破り捨ててやるわ、シュレッダーよ。シュレッダーぁ』
朝の忙しい支度時間に《まいま~い》って歌われちゃ調子狂うのよっ‥
『んっ!今日もかわいい!朝のキスは?』
彼が後ろからキスをねだる。
『退いて退いて~遅刻なのよ~!』
相川はフッと笑い後ろから舞のウエストに手をかけ、抱き上げた。
『お尻撫でて良い?』
『エロカツ~』
『はいはい、今日も元気ね』
『バカにしてっ』
河田の事に見切りをつけた後日から相川はこうして呼びにくる。
あの夜街角でキスを許したからって馴れ馴れしくお尻を撫でないで!
『あたしの愛車がいけない場所に行こうって誘ってる』
『エロカツに胸焼けしそうよ…』
当たる…
当たってる…
相川さんあたしの胸を触らないで~!
『胸焼けしてんでしょ』
あぁ~…
この男!
エロカツになりそうなの!この男!
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