○○の子

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立ち入り禁止のテープを潜り、私は廃墟の中へと何も持たず制服で入って行った。 今にも崩れそうな建物中、瓦礫を避けまっすぐと錆びかけてる階段に向かう。 カツン、カツン と一段一段ゆっくりと階建を上がって行く。 カツン、カツン ここは私意外誰もいない。来るはずがない。 カツン、カツン 立ち入り禁止の建物に入る人なんてまずいないだろう カツン、カツン 私が目指すのはこの建物の屋上。 カツン、カツン 何しに屋上に行くかって? カツン、カツン 簡単な理由である。 カツン、カツン……。 歪んだ扉の前に立つと赤錆の目立つドアノブに触れてゆっくりと押して扉を開ける。 扉の隙間から入って来る眩しい太陽の光に目を細めながらも扉を開けて屋上にでる。 屋上に足をつけた私の目的。そう、自ら命を絶とうとしているのだ。 つまりは、自殺。
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