○○の子

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ギシギシと軋む柵を乗り越えて私は屋上の端へ立つ。 一歩進めば私の行き先はコンクリート。 いや、きっと地獄とかかな。 屋上から街を見下ろす。 この街で色々あったなぁ。 好きな子に振られるし。 クラスでいじめられるし。 お母さんには罵声を浴びせられて。 お父さんには蔑みの目で見られて。 私の居場所なんかなくなった。 嫌われて、 裏切られて、 奪われて、 無くされて、 蔑まれて、 でももう、そんな苦しみからは開放される。 私は自由になる。 羽ばたけるんだ。
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