一章

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「は?何言ってんだ。そもそも、さっきも言ったろ、リーアがお前の所に所属してたのもさっき知ったんだぞ」   ユンファとラウは藤堂組を後にする。 歩道で、ユンファはラウをたしなめる。 「お前、余計な事言うなって」   まあ俺も敵方に自分達の内紛を喋ったから何もいえねえ、とユンファは反省する。 「すいません」涙ながらにラウは謝る。 小津の言う通りかもしれない、とユンファは考えた。 最近際だった事件や対立もなく均衡を保っていて、その際にわざわざ幹部でもない構成員を殺るのはデメリットが多い。 規模の大きい横流しをした時点で問答無用で殺すが、リーアはリャンの言う「裏切り者」でない可能性が高い気がする。 勘に過ぎないが、修羅場をくぐり抜けてきたユンファにとって十分信用に足る材料だ。 「ラウ、リーアはリャンを殺ってねえ。多分」 「え、本当ですか?」 「いややっぱりよくわからねえ。最初に戻っちまったな、おい、とりあえず昼にしよう」 それに、リーアのメモ帳だけでは薬物と武器の量が足らない。 2人は近くにあったラーメン屋でラーメンセットを頼み、同時に作戦会議も行った。
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