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「ふぅー…ただいま。」
返事の来ない、独り言に似た挨拶。
両親が共働きだから、部活のない日には家に帰っても誰もいないのだ。
喧しい足音をたてながら階段を上り、自分の部屋に入った。
スクバを床に放り投げてベッドに寝っ転がる。
見所のない天井を眺めながら、ふぅー、と長く息を吐いた。
今日は色々なことがありすぎて疲れた。身体が鉛のように重い。
うん、こんな時こそ、一旦全部忘れよう。
「さーて、予習復習だ!」
あまりに態とらしい空元気。つい自分でも苦笑いがこみ上げる。
真面目か、私!
ま、ちゃんと勉強しますけどね。
ほとんど身を投げ出すように椅子に座り、参考書を探して本の山を弄る。
「…あ。」
私の指先に触れたのは、西野先輩から借りっぱなしのノート。
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