策士と始動しました。

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人見知りで見栄っ張りな私のことすら、否定することなく「不器用なだけだ」って言ってくれて。 どうして私は器用にできないんだろう、って自分を責めてばかりだったけど、先輩のおかげでだいぶ救われた。 「ちなみに『男子しか恋愛対象じゃない』っていう噂は…?」 「何それ!?デマだから信じないでね!?」 こうやって多少無遠慮な質問までさせてくれるんだから、恐るべき西野先輩パワー。 「それじゃ次、由季未ちゃんの自己紹介よろしく。」 「えっと…須田由季未です。2年4組で、部活は書道部です。」 「へぇー、それじゃあ字綺麗なんだ。」 「っていうよりは、他人の筆跡を真似るのが得意です。」 「え、すごい。今度俺の字も真似してみて。」 会話上手で褒め上手。さすがモテる男は違う。 私ですら気負わずに話せるくらいだから、西野先輩の会話術は相当のもの。
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