策士のトナリ。

策士と手を組みました。

＊＊＊

彼氏が浮気をしようが、彼氏の浮気相手が仲の良い友達であろうが、いつもと変わらぬ朝がやって来る。

昨日の出来事は悪い夢かと現実逃避したくなるけど、スマホの中には二人がばっちり手を繋いでいる写真が入っていて。やっぱり現実だった。

「…ていうか、よく証拠写真なんて撮れたなぁ…」

昨日の自分の冷静さに驚きながらも、これからのことを思って小さくため息をついた。

ふと顔を上げると、壁にかけた時計が目に入る。７時２５分。そろそろ家を出ないと。

その前に、全身鏡の前で身だしなみの最終確認。

制服のスカートは、短すぎず、でも膝よりは上で。

カーディガンの色は黒。女子はみんなベージュや白を選ぶから、あえて違う色にした。袖で手が少し隠れるくらいの、若干大きめなサイズ。

メイクは薄く、すっぴん風に。