策士と始動しました。

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彼女になった今だって、そこらの女子が噂をしていた程度の情報しか聞いたことがない。 それも、『西野先輩は男子しか恋愛対象じゃない』とか。どこから出てきたんだ、っていう怪しげな噂ばかり。 先輩のことを聞くんなら、今だ。 「西野先輩。」 「ん?」 「自己紹介、してください。名前とか学年だけじゃなくて、もっと色々知りたいんです。」 今さら自己紹介なんて変かな、なんて不安をちょっぴり抱えながら、先輩の反応を待つ。 元々会話が得意じゃないからってのもあるんだけど、緊張で鼓動が速まる。 西野先輩はそんな私の不安を解くように小さく笑った。 「いいよ。その代わり、俺の次は由季未ちゃんもだからね。」 なるほど、私も自己紹介しなきゃなのか。 了承を声に出す代わりに、こくりと頷いた。
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